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カート

カートが空です

スーパーへ行くと「わたしが作りました」と生産者の顔写真付きの野菜を目にすることが増えましたよね。
誰がどこでどうやって作ったものかわかると安心して購入する事が出来ると思います。

衣料品も同じで、「どういった原料をつかっているか」「環境に悪い商品でないか」「作っている人が強制労働を強いられていないか」などサプライチェーン全体の透明性が重要視されてきています。

そこで今回はANNUALのニットが実際にどうやって作られているかご紹介したいと思います。

原料編に続き、今回はどうやって製品が作られているかをご紹介します。
ANNUALでは主にニットウェアを展開しているのですが、実はニットと布帛(織物)では製造工程が大きく異なります。

布帛は生地にパターン(型紙)を当てはめ、裁断し縫製していくのに対し、ニットは袖や身頃、付属などをパーツ毎に編立し、リンキングという機械で一目一目縫い合わせていくのです。

ちなみにニットと一括りで言っていますが、丸編みや経編み、横編みなど大きく3種類に分けられます。
セーターやカーディガンなどのいわゆるニットと言われる製品は、写真からわかるように、編み針が横一列に並んだ「横編み」で編まれているのです。

 

まずは商品企画について書いていきたいと思います。
横編みの場合は、企画段階から商品の完成図が想像できていないと、編機のデータ設計ができない事や、実際に編めなかったりする事があります。
なのでデザインを考えながら ゲージ、編組織、糸、仕様なども平行して考えていかなければならないのです。

 

デザインや仕様が決まると、それに基づき編立工程に入っていきます。

横編機は主に3ゲージから18ゲージまでの機械があります。
ゲージとは1インチ(2.54cm)の中に針が何本入っているかで表され、3ゲージであれば針が3本入っていることになります。
3ゲージの様に針が大きい = 一目一目が大きいニット、つまりはローゲージのニットになるのです。

 

実際に出来上がったカーディガンですが、こちらは5ゲージの編機で編んだものになります。

素材の良さが感じられる肉厚なもので
シンプルに、どんな服にも合うような、それでいて少しデザインが効いたものを作りたいと思ったのが企画の始まりでした。

 

ベースとなる組織は天竺と呼ばれる最もプレーンなものを選び誰にでも着やすいシンプルなものにしたのですが、
よく見て頂くとデザインポイントとして袖下、脇から肩にかけてリブ組織がはいっています。

 

このリブはデザインポイントという点はもちろん、脇や袖ぐりなど可動域が広い部分に伸縮性のあるリブ組織を持ってくることで、より快適に着られるのでは?と考え取り入れたものになります。

ただ普通と少し違ものを作るというのは、やはり苦労する点もあります。

ニットは裁断ではなく、各パーツを成型して編み立てていくので、この商品であれば 天竺からリブの編み続きを維持しながら肩の傾斜をつけるという事をしなければならず、試行錯誤の上 製品が完成しました。(この場合は肩に引き返しという編み方をいれています)

各パーツ無事に編みあがると、次はパーツとパーツを縫い合わせていく「リンキング」と呼ばれる工程に移っていきます。
リンキングの特徴は製品の継ぎ目が目立ちにくく、伸縮性をたもつニット特有の縫製技術になります。

 

その後は「縮絨(しゅくじゅう)」と呼ばれる製品の洗いの工程に移っていきます。この縮絨の上手さによって素材の持つ風合いを生かせるかどうかが決まってきます。

 

ニュージーランドウールを使用しているANNUALでは、洗いを終えた後、縮みやフェルト化を防ぐために タンブラー乾燥はせず、自然乾燥をし、プレス(アイロン)を行っています。

この後ANNUALのニットが輸出され、日本に届き、ようやくみなさんのもとに届くのです。

ニットが出来るまで、と原毛から糸づくり、製品が出来るまでお話してきましたが、実はANNUALでは商品を販売して終わりではないのです。

ウールは再資源化できる素材なため、ANNUALでは生産者の責任として、販売後 不要になった製品を回収し再資源化を行っています。
「CLOTHLOOP」というアップサイクルシステムを取り入れており、回収した製品は色ごとに分け細かく粉砕し、「反毛」と呼ばれるワタ状に戻す工程を行っていきます。

 

その後また新たな糸として紡績を行う事でリサイクルウールが出来るのです。

ANNUALはまだ誕生から間もないブランドなので、ANNUALの服をもとに再資源化はまだ進んでいませんが、今後は回収してできたリサイクルウールでも ものづくりが出来ればと考えています。

「かわいい」「かっこいい」の裏側がどうなっているかわかった上でその商品を選択できるように、
ANNUALでは今後も透明性にこだわったものづくりを進めていきます。